夜の遊園地からの脱出 チケット販売中!

インタビュー

「リアル脱出ゲーム」という遊びが各地で話題にのぼるようになったのは、ここ2年くらいのことだ。それまでは、“知る人ぞ知るマイナーな遊び”だったのが、東京ドームや神宮球場などの大型会場で開催するほどまでに成長した。ターニングポイントともなったのが、2010年秋に開催された『夜の遊園地からの脱出 atよみうりランド』。その第二弾が10/5から始まるにあたり、産みの親のSCRAP代表・加藤隆生氏は振り返る。

インタビュー・文/朝井麻由美

紙とペンと謎解き用のパネルだけで、感動や悔しさを味わえる

加藤隆生氏(以下、加藤)「なぜリアル脱出ゲームが流行ったのか? それが分かれば苦労しないです(笑)。初めて京都でリアル脱出ゲームのイベントをやったのは5年前の2007年。非常にローカルなイベントだったのですが、チケットはあっという間に完売でした。mixiの脱出ゲームコミュニティで宣伝したら、6万人の人数がいたコミュニティ内が騒然となり、『行きたい!』『行きたい!』とものすごい数のレスがついて。もともとWebの脱出ゲームが好きな人はたくさんいたけど、そのイベントを実際にやってる人はまだいなかった」

 SCRAPの作る謎解きは、そこらの参加型謎解きとはひと味違う。驚くほどに難易度が高く、クリアできるのは参加者のうち10%以下ということもざらだ。いわゆる普通の参加型イベントでは、まずありえない数字である。加藤氏は、「みんな最初は、『どうせラクにクリアできるんでしょ』と思って参加するんですよ。なぜなら、世の中のゲームはお客さんへのサービスで簡単に解けるように作られているから」と言う。“解けないストレス”が発生するのは仕方ない。でもその分、“解けなくても楽しい”、“解けたときは最高の快感と感動を味わえる”ことを重視するのが、加藤氏、及びSCRAP流だ。

加藤「特別な知識は要らず、閃きと気付く力があれば解ける問題を前にし、解けなくて詰まる。最後、答え合わせのときに、『あ、これ私、解けたはずなのに! なんで気付けなかったんだろう!』という感情になるように作っています。たとえ解けなかったとしても、“納得がいく”問題ですね。『こんな問題じゃ納得いかないよ』と言われたら負けだと思って作ってます。どこの会場でやっても、凝った舞台装置なんかは一切使わず、スタッフが用意するのは紙とペンと、謎解き用のパネルだけ。これだけでお客さんは感動や悔しさを味わえる」

これは2年前の問題。解き進めると、下の図形の暗号の解き方で閃きが必要になってくる。

キーワードは、お客さんが“物語を体験する”ということ

―― 単純に謎解きが楽しいのもありますが、“~~からの脱出”の設定にワクワクが詰まっているように感じます。

加藤「そこは常に意識しているところで、キーワードにしてるのは、お客さんが“物語を体験する”ということ。僕らは、謎解きイベントを作りたいというよりも、物語を体験できるようなエンターテインメントを作りたくて、それを“謎”という道具を使ってデザインしているんです。
 リアル脱出ゲームとは、お客さんが“ある場所に閉じ込められた”という設定のもと、会場中に散らばった手がかりやヒントを探し、目の前にあるパズルを解いていく、頭と体を使うゲームですが、閉じ込められるのも、廃倉庫だったり、廃校だったり、普段入れないようなところで、その場所に行くだけでちょっとドキドキする場所に設定しています」

―― “夜の遊園地”も普段入れない場所ですね。

加藤「遊園地という場所がそもそも物語性のある場所ですしね。普段入れないような夜の遊園地という場所で事件が起こる。こういうのって、子どもの頃に空想した人もいるんじゃないかな。
 遊園地を使ってのリアル脱出ゲームは2年前の『夜の遊園地からの脱出 atよみうりランド』が初めてでしたが、このときに今までとは違う全く新しいシステムを作ったんです。それまでは小さな部屋に5人くらいのチームを閉じ込めてやっていたけど、それだと一回にプレイできるお客さんが限られてしまう。3000人のお客さんが参加したいって言ってるのに、500人のハコでイベントをやってるような感じでした。そこで、1000人が一斉に同じ場所(遊園地)でプレイするシステムにした。これがあまりにも成功したもんだから、2年前の『夜の遊園地からの脱出 atよみうりランド』を皮切りに、謎解きイベントを作る頻度も、それまでは4ヶ月に1本程度だったのを、今は3ヶ月に2公演くらいに増やしました」

ここに来ないとできないドラマチックな演出を

―― 10/5からの『夜の遊園地からの脱出 atよみうりランド』の第二弾は、この2年間で進化したリアル脱出ゲームのなかでも最大級のイベントに?

加藤「ええ、現在制作中ですので、具体的なことを言えないのが心苦しいのですが、何よりもまず、『よみうりランド』という会場は、もともとが入るだけでワクワクするような素晴らしい場所ですし、ここに来ないとできないドラマチックな演出を体験できるのは間違いありません。ここの場所をこんな活かし方ができるのか!と驚くような公演が出来上がるはずです。
 2年前にいらしていただいた方にとっても、当時よりもずっとリアル脱出ゲーム制作の経験値が上がっている今、同じ場所で同じ装置を使って、全然違う仕掛けができるんだ!ここまで変えられるんだ! というのをぜひ体験しに来てほしいですね。後悔はさせません」

 

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