高校生時分の学校における私の存在なんて、ちょっと汚い空気、くらいのもんですよ。
近く通っただけで「うわ、汚ね!いけ菌つくとこだった」
みたいな顔されはするものの誰からも話しかけられず通り過ぎて行くだけの存在。
何処かーらー来てー何処ーへー行くの人は。
イタイ、イタイ、イタイ、イタイ別れと出逢い繰り返し、自分に目覚めるWake Up!
にも関わらず
「いけ、エヴァのさー。」
と、突然話しかけてくるんですよ。
普段はまったく話しかけてこないイケイケドンドンの同級生が。

バイト先においてもそうです。
あと2年もすれば自分もああいうかっこいい大学生になって大学デビューしてやんぜ
と、ひそかに憧れながらも普段まったく接点のないヤンエグ大学生が、突然話しかけてくるんですよ。
「いけ、シンジのさー」とか。

毎日顔は合わせているものの全く交流のない人たちですよ。普段はちょっと汚い空気として扱っている私にすら話しかけたいくらい何が何でもエヴァンゲリオンの話がしたいんなら最低限まずは「いけくん、エヴァンゲリオン観た事ある?」という前置きが必要ではないのか、そしてできるならば親しい間柄ではないわけだし『いけくん』くらいの敬称はつけて頂きたいものだそれがエチケットではないのか!
と憤りを抱えつつも、それこそシンジくんのごとく蚊の鳴くようなか細い声で
「あ、いや、観たこと...ない...ですん...ぐふん...てへ」と答るのです。
その時の彼らの表情たるやもう!
10m級の巨人が現れてウォールマリア破壊された時の人類みたいな顔ですよ。
絶!望!
なぜこんなわけのわからない生物に話しかけようとしたんだ私は...
とでも言わんばかりのね。
あ、進撃の巨人わかんない人にはあれですよ。
カイジのざわざわし始めたあとの騙された側の人、くらいの表情ですよ。
「そんなこと考えられない、あってはならないこと、ありえない!」
嵌っている....
すでに泥中 首まで...
いけがエヴァを観ていない......!
つって汗だく。みたいなね。

なぜ彼らは「いけエヴァ観てんのかチェック」を怠り、
果敢にも調査兵団のごとく無謀にもカイジのごとく私との交流を試みたのか、
それはもう「いけ当然エヴァ好きだろ暗いもん」の一択ですよ。
結局そういうことなんですよ。
あと「友達いない暗いやつ」=「頭くらいは良いだろ」
みたいなイメージもあるんですよね。
なのでクラス替え後、最初の中間テストくらいまでは
勉強のことに限ってはちょいちょい話しかけられるんですよ。
でもね、頭まあまあ悪いんですよこれがまた。ほんと残念。
でも精一杯背伸びして答えるんですよ。だって友達できるチャンスじゃない。
で、中間で化けの皮がはがれるわけですよ。
それでもまだ、たまーに聞かれるんですよ。
「いけ、ここの方程式だけど...」
「あ、いけに聞いてもムダだよ。ああ見えてバカだから」
「マジで?じゃあこいつ何の取り柄が...」
このやりとりが見受けられると、もうすぐ梅雨入りですよ。
今年もこの季節来たかーみたいなね。甘ずっぱい思い出だなぁ。

つまり何が言いたいかっていうと
暗いからってエヴァンゲリオン好きだと思ったら大間違いだぜ!
というなんつーかプライド?意地?が邪魔をして、
ずっと観てませんでしたエヴァンゲリオンってことです。

予告
自分の心を克服できず、エヴァンゲリオンを観ることからも逃げ出すいけ。
だがエヴァは、いけをあっさりと連れ戻す。そこに優しい言葉は無かった。
次回、「雨、逃げ出した後」。この次も、サービス、サービスぅ!

ちなみに今確認してみたら仕事がらみ以外の電話は、
この8月1件しかかかってきてませんでした。

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8月〜10月公演分発売中!


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