がんばれって言われるのきらい、とか
がんばってなんて私言えないよ君はもうがんばってるから、とか
うるせーよ。って思うんです。
世の中で発せられる「がんばれ」のうち9割程度は挨拶程度の無意味ながんばれなわけですよ。大丈夫?とかお大事に。とかもそうですよね。
サラッと右から左へ受け流すのが大人の流儀じゃないですか。
でも若い時って気づかないんですよね。若者はみな「世間の常識を鵜呑みにせず自分の考え持ってる自分カッコイイ病」なんですよ。
とうに30を過ぎた自分ですらまだまだこの病から抜け出しきれていないのだから、
10代20代の頃の自分の言動なんてこっちが顔から火が出る思いです。
40代になった自分も今の自分振り返って顔から火を出すのだろうな。
というようなことにうっすら気づきはじめた26の頃に
あ、エヴァ観てみようかなと思ったんです。
当時私に話しかけてきたあの同級生も大学生も、そして今目の前で私がエヴァを観ていないことに絶望しているかのように見えるこのフリーターも広告マンも、ひょっとしてただの挨拶なんじゃないのか。

たとえば初対面のどうでもいい定番話第1位、血液型トークをする際にいちいち
「血液型の検査はお済みですか?」と聞かぬように、
たとえば初対面のどうでもいい定番話第2位、どこ住んでんの?を聞く際にわざわざ
「ところで特定の住所はございますか?」とは前置きせぬように、
同世代の日本国民にとって「エヴァンゲリオン」って共通語なんじゃないのか。だもんでみんな唐突に話しかけてくるのではなかろうか。今までの私といえば、一般常識に抗ってエヴァ観ない自分カッコイイ病だったんじゃなかろうかと気づいたのです。これはこれでまた新たな病が発症している気はしますがとにかく気づいたのです。

とりあえず1巻だけね。ジメっとした暗ーい話なんて自分のことだけでお腹いっぱい。
と第1話 使徒、襲来を鑑賞。まずはシンジの消え入りそうなしゃべり方にイライラ。まだこの時は同族嫌悪とは気づかず。

シンジ これから、父のところへ行くんですか?
ミサト そうね、そうなるわね。
シンジ (・・・父さん・・・)
ミサト あっそだ!お父さんから、IDもらってない?
シンジ あっ、はい。どうぞ。
ミサト ありがと。じゃぁ、これ、読んどいてね。
シンジ ネルフ?
  (父さんの仕事・・・)
  なんかするんですか?僕が。
  ・・・そうですね。用も無いのに、父が僕に手紙をくれる筈、無いですよね。
ミサト そっか、苦手なのね、お父さんが。あたしと同じね。
開始10分程度でしょうか。このシーンで気持ちが動きます。
「ああ、なるほどね、父親に抱える複雑な気持ち問題ね、あるある...」
でもま、ありがちな設定じゃんか。なんでみんなこんなもんにそんなに...
しかしそこから先はもう転がる石のごとく。

ミサト そ。これがあたしたちの秘密基地、ネルフ本部。世界再建の要、人類の砦となるところよ。
と、ジオフロントを見渡すシーンで気分は第三新東京市。

初号機前でゲンドウ氏と再会、乗れ乗らない乗りなさい乗りたくないのやりとりのシーンでシンジにシンクロ開始。

ゲンドウ 予備が使えなくなった。もう一度だ。
レイ はい・・・
シンジ (やっぱり僕は、要らない人間なんだっ・・・!)
の台詞で、いけがシンジでシンジがいけで、という状態

シンジ やります、僕が乗ります!
と言い切った時には「よくぞ言った自分!」
ともはや自分のお手柄。自分が成長した気分。乗り越えたのは自分。感涙。
見終えたその足で2巻を借りに行ったのでした。

-チケット発売中-
8月分:完売しました。ありがとうございます!
9月分:本当に残りわずかです。
10月分:平日狙い目!土日の△はすべて残1枚です。


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