アイドルってそもそも、儚く消えて行くものなんですよね。
あの、ピンクレディーでさえ「ペッパー警部」で華々しくデビューしたのが76年。
デビュー10ヶ月後の「渚のシンドバッド」で初のミリオンセラーを記録後
ウォンテッド、UFO、サウスポー、モンスターと5作連続ミリオンセラー。
しかしこの間わずか1年。
78年発売の透明人間が88万枚、その次のカメレオンアーミーが70万枚。
まあこの辺までは大ヒットといって過言ではありませんが、
カメレオンアーミーからわずか3ヶ月後のジパングは26万枚。
それ以降は転がるように解散へ。本当の絶頂は2年足らずでした。
これじゃ若い人にわからないのでSPEEDを例に取りましょう。
96年デビュー曲「BODY&SOUL」でいきなり63万枚を売上げ華々しくデビュー。
2作目の「STEADY」で早くも127万枚のミリオンセラー、
その後「White Love」184万枚、「my graduation」147万枚、「ALL MY TRUE LOVE」122万枚と4枚のミリオンセラーを排出。
99年、メインボーカルのhiroが、私ジャニーズジュニアと結婚して沖縄でラーメン屋やる!とわがままを言って一度目の解散に追い込まれる99年「Long Way Home」までコンスタントに60万枚以上を売り上げるものの最後3曲Precious Time、Breakin' out to the morining、Long Way Homeをフルで歌える人はほとんどいないでしょう。
ね。儚いでしょ。アイドルって。どんなに売れても全盛期は2.3年なんですね。
で、このアイドル短命サイクルを、
新加入&卒業システムによって劇的に延命させたのがモーニング娘。です。
98年デビュー曲「モーニングコーヒー」が20万枚。当時としては小ヒットですが、
レッスン、レコーディングの裏側をテレビで見せる手法で注目を集めます。
そして2作目「サマーナイトタウン」から、いきなり3名(しかもあまりかわいくない)が新加入、オリメンと2期生の確執をあからさまにテレビで放送。で、40万枚。
3作目「抱いて!Hold On Me」が49万枚、初の1位。と、ここまでは右肩上がり。
しかし結成1年ほどでメインボーカルの福田明日香さんが脱退。シングルも3作連続前作割れ。2年目の夏、6thシングル「ふるさと」はデビュー曲を下回る17万枚のうえ、同時発売の鈴木あみ「Be Together」に惨敗。
モー娘。オワタ。が世間の認識でした。
ところが、3期生後藤真希加入により7作目「Loveマシーン」が起死回生の164万枚の大ヒット。実はミリオンセラーこそ「恋のダンスサイト」の123万枚と合わせて2作しかありませんが、
その後も
「ハッピーサマーウエディング」99万枚(石黒脱退、石川吉澤辻加護加入)
「I WISH」 65万枚
「恋愛レボリューション21」 99万枚(中澤脱退)
「ザ・ピ〜ス」 66万枚
(売上げこそそこそこだが、奇跡的にメンバー全員が太ってもなく劣化もなくかわいい黄金期。圭ちゃんすらかわいい。異論は認めない)
「Mr.Moonlight〜愛のビッグバンド〜」50万枚(高橋、新垣、紺野、小川加入)
とヒットを飛ばします。
更には派生ユニットも獅子奮迅の活躍。
初代プッチモニ(市井メイン、後藤、保田)の「ちょこっとLOVE」が112万枚
初代ミニモニ。(矢口、辻加護、ミカ)の「ミニモニ。!じゃんけんぴょん」が76万枚。
2000年3月、同日発売のシャッフルユニットの
あか組4(後藤メイン)の「赤い日記帳」が50万枚
黄色5(安倍メイン)の「黄色いお空でBOOM BOOM BOOM」が48万枚
青色7(市井メイン)の「青いスポーツカーの男」が38万枚
3ユニット合わせて136万枚を売り上げます。
と、まあ、ツラツラと書き連ねたものの、99年のLoveマシーンのヒットから01年のMr.Moonlightまでがちょうど2年間。
その次の「そうだ!We're Alive」は45万枚。日本歌謡史に残る名曲だと思うのですが、フルで歌える人はほぼいないでしょう。
そしてこの年、後藤真希卒業。と同時に俗にハロマゲドンと呼ばれるユニット再編成が行われ、ファン離れが著しいものに。
翌03年、私が全ハロプロ作品で最も愛する楽曲、モーニング娘。さくら組の「晴れ 雨のち スキ」は売上げ8万枚。フルで歌える人とは、もれなくお友達になりたいです。
と、絶頂期こそ歴代アイドル並みの2年そこそこだったモー娘。ですが、
その後もしぶとくメンバーの新陳代謝を繰り返しながら生き残り、
先月発売の恋愛ハンターまで、デビュー曲から15年49曲連続でトップ5入り.
総売上は1180万枚になります。すごい!
しかしこの春、最後の5期メンバー新垣さんが卒業。田中、道重まではギリギリ世間の認知度もある!と信じたい!が、それ以外の現存メンバーを全員言える方はこの日本にはほとんど存在しないでしょう...
そしてこのハロプロシステムを踏襲し、かつさらに優れた軍団に育て上げたのがAKB48なのであります!
2006年「桜の花びらたち」でインディーズデビュー。最高位10位売上げ4.6万枚。
と前例までの名だたるアイドルに比べると明らかに見劣りするデビュー。しかも2枚目スカート、ひらりが13位。3作目のメジャーでビュー「会いたかった」もブレイク後に再ランクインして売上げを伸ばしたものの当時は12位2.6万枚とあまり奮わず。08年レーベルを移籍するまでの2年間鳴かず飛ばずの状態でした。前述の3組ならすでに大ブレイクからの衰退期に入る時期です。
ところがAKBの場合、ここから進撃が始まります。移籍後の08年10月、11枚目の「大声ダイヤモンド」で初のトップ3入り、第3位を獲得。現在までに9.6万枚を売上げ。12枚目「10年桜」3位12万枚、13枚目「涙サプライズ!」2位16万枚、14枚目「言い訳Maybe」2位14万枚。そして09年10月15枚目の「RIVER」はそれまでのアイドル路線とは一線を画す曲調と振り付けで初の1位を獲得。売上げ26万枚。以降は脅威のうなぎ上り。
2010年
16枚目「桜の栞」40万枚
17枚目「ポニーテールとシュシュ」74万枚
18枚目「ヘビーローテーション」87万枚
19枚目「Beginner」で初のミリオン104万枚
20枚目「チャンスの順番」69万枚
で、この年のシングル売上げトップ10を
1位 : 95.4万枚 … AKB48「Beginner」
2位 : 71.3万枚 … AKB48「ヘビーローテーション」
3位 : 69.9万枚 … 嵐「Troublemaker」
4位 : 69.6万枚 … 嵐「Monster」
5位 : 66.0万枚 … AKB48「ポニーテールとシュシュ」
6位 : 65.6万枚 … 嵐「果てない空」
7位 : 62.0万枚 … 嵐「Lφve Rainbow」
8位 : 59.7万枚 … AKB48「チャンスの順番」
9位 : 59.1万枚 … 嵐「Dear Snow」
10位 : 51.6万枚 … 嵐「To be free」
とAKBと嵐でキレイに2分することに。
2011年
シングル売上げトップ10を
21枚目「桜の木になろう」108万枚
22枚目「Everyday、カチューシャ」160万枚
23枚目「フライングゲット」162万枚
24枚目「風は吹いている」145万枚
25枚目「上からマリコ」130万枚
でこの年の
1位 : 158.7万枚 … AKB48「フライングゲット」
2位 : 158.6万枚 … AKB48「Everyday、カチューシャ」
3位 : 141.8万枚 … AKB48「風は吹いている」
4位 : 119.8万枚 … AKB48「上からマリコ」
5位 : 107.9万枚 … AKB48「桜の木になろう」
6位 : 62.5万枚 … 嵐「Lotus」
7位 : 61.4万枚 … 嵐「迷宮ラブソング」
8位 : 49.8万枚 … 薫と友樹、たまにムック。「マル・マル・モリ・モリ!」
9位 : 46.6万枚 … SKE48「パレオはエメラルド」
10位 : 44.1万枚 … Kis-My-Ft2「Everybody Go」
と上位5位をAKBが独占。
2012年
26枚目「GIVE ME FIVE!」143万枚
27枚目「真夏のSounds good!」161万枚
さらに今年に入っても最新シングルが歴代最高の初週売上げを記録し、7曲連続ミリオンセラー。毎曲毎曲「今回がピーク。後はもう落ちる一方だろ」とファンですら思っているのに毎度売上げを更新しています。大声ダイヤモンドをブレイクとするならもう4年。初1位のRIVER以降としても3年。
ピークを迎えるどころか右肩上がりに売上げを伸ばしているのです。
あ、続きますよ。この話。